
農業分野での女性のみの法人は全国でも数少ないなか、平成9年に女性4名で共同出資し女性のみの農業生産法人を設立、「博多ぶなしめじ」の生産販売を、また平成12年から新事業として「博多アスパラ」の生産販売に携わっている『モアハウス』を紹介します。
年間生産量は、「しめじ」約280トン、「アスパラ」約22トン。
※農業生産法人は、農地の耕作等を行うことのできる法人のことです。

代表理事の大薮さんは、嫁ぎ先が米・麦・イチゴの専業農家で、子育ても一段落し、「今後も夫の農業の手伝い、将来は親の介護??私の人生は何だろう?」の疑問が浮かんだ時も。それから数年たった平成9年「しめじセンター」設立にあたり、これからは、「女性でも一人前の所得確保があり」、「田舎に暮らしていても誇りをもって堂々と生きる」「女性のリーダーであってほしい」等、しめじ部会のリーダーからの女性のみの法人設立への熱いラブコールが。
しかし、家族を説き伏せるには、出資金は、しめじ作りの技術は、女性4人だけでやっていけるのか、経営者としての責任…様々な不安が。
でも、健康には自信があるし、やる気もあった、それより一層新しいものに挑戦するという気持ちが大きく、不安の部分を打ち消していき、まず、県と大木町の補助金を活用して(48%補助金)1人600万円の出資金を作り、農業生産法人「モア・ハウス」が誕生しました。

4人の中で、総務担当理事の野口さんのみ技術経験者でしたが、技術的なことは農事組合法人大木しめじセンター(培養センター)で種菌培養等までは実施する体制が確立していました。また、しめじ部会からの技術支援等もあり、それが大きな精神的な支えとなりました。

自分や家族の体=命を守ることは、自分の食している食べものを知ることから。農産物を生産している私たちが農業の安全性等をふくめてまじめにキチンと取り組むことから始まります。それが、農業でした。農業は天職です。農業を仕事としてやっていくうちに食や環境自然に関わっていつの間にか生きがいになっていました。農業は、生産効率が悪いと思われていますが、工業生産と違います。天候に左右されようと、どんなに苦しい目にあっても、農産物の生長過程を日々見ているだけでもおもしろくてたまりません。また、それを食べていただく人の顔が見えるとがぜんやる気がでてきます。(笑)企画販売担当理事の松藤さんの熱い思いが伝わってきま
した。
 
しめじ部会の女性たちで女性部を設立し、「生産者が現場から声をあげたい」と年間250回程度の販売促進を実施しています。消費者へ生産者の声を直接伝えています。また、キノコ、アスパラ狩り体験も4月下旬から8月初旬まで毎週土日にモアハウスとアクアス大木のコラボレーションで開催。消費者に生産現場を、キノコを知ってもらおうとの取り組み。
博多ぶなしめじを通じて生産者として女性の顔が見え、女性の視点での消費者へのアプローチが明確になってきました。

 
しめじは「香りマツタケ、味しめじ」といわれるくらい味には定評があり、袋を開けたときに香る独特の風味と、旨味、それに火を通してもシャキシャキと歯ごたえのある食感が特徴です。
成分の90%以上が水分で、他にタンパク質等を含んでおり、カロリーゼロなのでダイエット中の方にも最適です。

福岡県内の産地は、県南地域のJA福岡大城とJAふくおか八女で、年間生産量は4,000トン(全国生産量は2位)が年間を通じて生産されています。
主な販売先は、大京、サティ、ゆめタウン系のスーパーマーケットで販売されています。
 
きのこの栽培は、くぬぎなどの木に菌を打ち込む原木栽培と、おがくずに米ぬかなどを混ぜて固めた培地に菌を植える菌床栽培とがあります。
ぶなしめじは、菌床栽培(ビン栽培)で雑菌がなく清潔なところで育ちます。温度、湿度ととも衛生管理には徹底して生産されて
います。
また、おいしいぶなしめじを作るために、数々の植物栄養源をブレンドした栄養たっぷりの培地(培養のために用いる、養分などを含む液状や固形の物質)を使用しているため、ハリがあり、日持ちするきのこが育っています。
 
しめじの栽培期間は、115日。
工程は、@種菌培養準備工程(原材料詰込み・殺菌等)→ A種菌培養工程(培養・熟成・菌掻き等)→ B育成栽培工程(芽出し、光照射育成、育成)→ C収穫出荷工程(収穫・包装・出荷)と4つの工程にわかれています
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